絵コラム

日常の事や萌えを語ったり漫画を連載したり…

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紅竜

kouryurafu.jpg

紅竜のキャラデザをしてます。
↑は現在の姿。三つ編みです。20歳くらいの見た目。見た目年齢は鳳凰と同じくらいだけど、性格はかなりお兄さん。
世話好きというか、たまにお節介。でも頼れる兄貴。
兄弟(と鳳凰)の考えてる事はだいたいお見通しで、みんなの相談役。青竜が不器用な分その辺で大活躍。
ちなみに、青竜は弟たちの考えてる事はたぶん良く分かってない。

続きから久々にSSです。読み切り番外編。
このSS書いててだいたい紅竜の性格が固まってきた気がする。
紅竜は青竜兄ちゃんより全然兄貴っぽくて良い奴ですよ。

本当はこの話の前に鳳凰昇天のSSがあるんですが、あとでアップします。


幻創夢伝(番外編)

紅竜と

その日、水晶宮に久しぶりの客人が訪ねて来た。
「おお! 久しぶりだな、鳳凰!」
嬉しそうに鳳凰を水晶宮に迎え入れたのは紅竜だった。鳳凰も「久しぶり」と笑みを浮かべる。紅竜は鳳凰を客室へと案内しながら懐かしそうに話した。
「お前がここを出てからもう、何年経つんだ?」
「100年くらいかな? 随分経ったな」
天界は時間の流れが緩やかである。100年200年という時間が、気づけばあっという間に過ぎ去ってしまうのだ。

 鳳凰は現在、天界の宮殿内で皇大御神の側近として働いてるのだが、昇天したばかりの頃は少しの間水晶宮で暮らしていた。鳳凰と年の近い紅竜は、その間ふたりで同じ部屋で寝起きして過ごした。紅竜には既に兄弟が沢山いたけれど、同じ年頃で同じ髪色の少年が突如一緒に暮らす事になったのはとても嬉しくて、まだ天界に不慣れな鳳凰をあちこち連れ回したりしてよく一緒に遊んだのだった。
 紅竜は、そんな頃の事を懐かしく思い出していた。
「もうそんなに経つのか……。お前も少しは落ち着いたみたいだな」
 そう言って紅竜は鳳凰の顔を見つめる。昇天したばかりの頃はもっとギラギラとした目つきをしていた鳳凰が、今では少し穏やかな表情に落ち着いていた。
「お陰様で、宮殿では上手くやってるよ」
 すました顔で鳳凰が言ったが、宮殿での噂は、青竜を通して紅竜も耳にしている。
「最初はよくトラブルを起こしてたみたいだけど?」
 紅竜が悪戯っぽい目を向けながら言い、鳳凰は少し決まりが悪そうな顔をした。
「今はもう、大人しくしてる」
 鳳凰は、良くも悪くも自分の思うままに行動してしまう所があり、周りとよく衝突をするのだ。仕事仲間の麒麟との不仲は有名である。今の返事も、本当の所はどうだかと紅竜は思ったが、それ以上は聞かない事にした。

「兄貴に用があるんだろ? 呼んでくる」
 紅竜は鳳凰を客間に通すと、そう言って部屋を出ようとしたが、それを鳳凰が呼び止めた。
「いや、今日は青竜に用があって来たわけじゃないんだ」
 紅竜は少し怪訝そうな顔をしながら振り返った。鳳凰が続けて口を開く。
「聞いて欲しい事がある」
 紅竜は、少し考えてから確認する様に聞いた。
「……俺でいいの?」
「ああ」
 青竜には言えない相談となると、やはりまた何かやらかしたのではと、紅竜は少し不安になる。紅竜はゆっくりと鳳凰の前に歩み寄った。
「何があったんだ?」
 一体どんな問題を抱えているのか心配だったが、鳳凰の答えは紅竜の予想とは少し違っていた。
「地界へ降りる許可が貰えた」
 紅竜の顔から緊張が消え、再び笑顔が戻る。
「そうか、良かったな!」
 天人達は、その行動範囲として地界へ降りる事も可能なのだが、鳳凰は地界で暴れていた経緯もあり、地界へ降りる事は禁止されていたのだった。それがこの度解禁されたと言うことは、それだけ鳳凰が天界で信頼を得る事が出来たという事だった。
 が、鳳凰はあまり嬉しそうな顔をしていない。無理に笑顔を作っている様で、その表情は硬かった。
「それだけ」
 と言うと、鳳凰は部屋を出ようと歩き出したが、紅竜は、どうやら単にその報告をしに来ただけじゃないなと勘付いた。
「遼郭へ行くんだろ?」
 その背中に向かって、紅竜が投げかけた。鳳凰の足が止まる。
「まだ行くとは決めてない」
 少し戸惑いながら鳳凰が応える。
「俺も一緒に行ってやるよ」
 鳳凰が振り返った。驚いた顔をしている。
「随分変わったんだぜ、あそこ。お前1人で行ったら絶対迷子になるだろうからな、案内してやる」
「そんなに変わったのか」
 一瞬、鳳凰の表情が綻ぶ。しかしすぐに真剣な表情に戻ると、紅竜に言った。
「だけど紅竜、俺は地界へ降りたらどうなるか分からない」
「大丈夫だ」
 紅竜は即答した。
「ずっと行きたいと思ってたんだろ」
 促す様に紅竜が言う。
「俺が付いてるから大丈夫だ」
「参ったな」
 鳳凰は決まりが悪そうに頭を掻いた。

 遼郭は、鳳凰にとって故郷も同然であり、ずっと恋しく思っていた場所である。行きたいに決まっている。だけど、そこには悲しい思い出も残っていて、その記憶が蘇ってしまうのは辛いことでもあった。行きたいけど、行けない。けれでも行きたい。それが鳳凰の本心だったが、口に出して素直に気持ちをぶつける事が出来ずに、ただ地界に降りる許可が下りたと報告するだけとなってしまった。しかし、紅竜とっては、それだけで鳳凰の気持ちを読み取るには十分だった。
 少しの間とはいえ、同じ部屋で寝起きしていた仲である。 紅竜にとって鳳凰は弟も同然で、考えている事は全てお見通しだった。

「分かった、じゃあ、頼む」
 鳳凰は覚悟を決めた様だった。ふっきれた顔で紅竜に言った。
「ああ、任せろ!」
 紅竜は力強く頷いた。
「もし、地界で俺がかつての様に怒りに取り憑かれてしまったら、その時は……」
「だから、大丈夫だって! 鳳凰、自分を信じろ!」
 紅竜は鳳凰の肩をぽんぽんと叩いた。鳳凰の顔に笑顔が戻る。それからひとつ頷いた。
「分かった」

 遼郭は王族亡き後は、結局隣国に吸収されてしまったのだが、街はすっかり活気を取り戻していて、人々の暮らしは豊かなものとなっていた。城だけが荒れたままの状態で放置されていて、それだけが鳳凰には少し心苦しかったけど、昇天したおかげか、かつての怒りが蘇って来る事は無かった。
 一通り街を歩いた後、2人は城の屋上から並んで街を見下ろした。
「良かった。結構楽しめてるみたいじゃんか」
 遼郭に降りてからずっと穏やかな顔をしている鳳凰を見て紅竜は安心していた。
「意外と面白い。たまにはこうして天界から抜け出すのも、よい息抜きになるな」
「だろ?」
「有難うな」
「は? 何だよ急に」
 驚いた紅竜が、思わず聞き返した。鳳凰が改めて礼を言うなんて、珍しい。
「俺1人ではここに来る事は出来なかった。こうして連れて来て貰って、今のこの街を見る事が出来て、本当に良かった」
「よせよ、そんなの」
 紅竜は鳳凰の肩をペシンと叩いた。
「いっ……痛ぇ」
 鳳凰が肩を手で抑え、紅竜が「すまん」と謝る。
「しかし、街に活気が戻ってて安心しただろ」
「ああ」
「お前に見せてやりたいって思ってたんだ」
 紅竜はにんまりと笑った。
 鳳凰は紅竜に笑顔を返しながら、この人には嘘はつけないと思った。全て見透かされているようで、時々ぞっとしてしまう。
 けれど、だからこそ、あの時は青竜ではなくて紅竜に話をしたのだった。
 鳳凰は自分の気持ちを素直に言葉にするのが苦手である。困っている事や悩んでいる事となると、尚更だった。それを言葉にせずとも分かってくれる存在がいるという事は、なんて有りがたいのだろうと感じていた。




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