絵コラム

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幻創夢伝(ひとりじゃない)

 大変更新が滞っておりましたが、久々に小説投下します。
(実は3か月程前から書き上げていたというのに、諸事情により、アップするだけの簡単な作業すら滞っておりましたという…)
今回も長いです。そして、ちょっぴり書いててこっ恥ずかしい回だった…(しかし、修正前の原文はさらに酷かった)
久々にこの小説読み返して思ったのですが、青竜が穢れ無さすぎて、マジ神様ですね!素早さ高いのに変にどん臭かったり、騙されやすかったり色々あるんですが、お前やましい事は本当に何一つしてないだろうっていうね!
鳳凰は元地界人なだけあって、とても人間らしいです(鳥ですが)
そして、鳥目ワロスw 
しかし、目が見えなくてもそこそこ大丈夫なのは本当だと思います。
でも、ここは大人しくみんなに頼ろうねって話でした。
次回から戦闘編に入るかな…?
まだストックがあるので、大丈夫ですー。
問題はその先だ…。がんばろ。

では、続きからどうぞですー。

  幻創夢伝 

 ひとりじゃない

「ほうおう」
ずしん、ずしん、と音を立てながら毛玉が鳳凰に近付いて来る。
 毛玉は鳳凰から数メートル程離れた地点で立ち止まると、ぱっくりと口を広げ始めた。鳳凰には何が起こっているのかさっぱり分からなかったが、青竜は信じられない光景を目のあたりにしていた。
その口はとどまる事なくみるみる広がっていく。その大きさ直径五十センチ…一メートル…そして、約1.5メートル程まで広がった所で、やっと毛玉は口を広げるのをやめた。
毛玉はその大きな口をしっかり鳳凰に向けている。
(鳳凰を喰おうとしている!)
 青竜はそう確信した。しかし、肝心の鳳凰はと言うと、眉間にしわを寄せながら無防備に暗闇を見つめているだけだ。例によって暗闇で目が見えていない。青竜は、鳳凰の前に飛び出して剣を構えた。
「何をしている」
「この暗闇、あなたには不利です。私があなたの目になります」
「お前の助けなどいらない!」
 鳳凰が声を荒げる。が、青竜はその場を一歩も動こうとしなかった。毛玉の口の奥が赤く光りだす。次の瞬間、瞬く間にあの炎が口から吐き出されて来た。
(喰おうとしていたのではなかったか!)
 不意を突かれた上に、近距離からの攻撃。青竜は素早く剣をしまい込むと、鳳凰を抱えてかっ飛んだが、しつこく迫り来る炎を振り切るのに一苦労した。
――ドサリ
 二人は重なったままの状態で茂みの中に倒れ込んだ。すぐ傍で茂みに燃え移った炎が燃えている。鳳凰は仰向けに押し倒された形だ。不機嫌な顔が、炎によって照らし出されている。
「危なかった……怪我は無いですね?」
 上から覗き込みながら、青竜が確認する様に言った。
「お前帰れ」
 鳳凰は静かに睨みつけた。
「一人で戦える。目なんか見えなくても」
 鳳凰は起き上がり、青竜に背を向けた。
「待ちなさい、鳳凰!」
 青竜は鳳凰を呼び止めると、鳳凰の目の前に周り込んだ。
「どうして一人戦おうとするんですか。あなたの力だけでは、どうにもならない事もあるでしょう?」
「ひとりでやれる。俺は幻術勝負で負けた事はないんだぞ」
「しかし、今回の場合は、あまりにあなたにとって不利でしょう!」
「青竜、こいつの狙いは俺だ。俺には記憶にないが、おそらく邪鬼の件は地界にいた頃に自分が捲いた種なのだと思う」
 鳳凰は、ただ怒りにまかせて戦おうとしている訳では無かった。鳳凰なりの理屈がある。自分の問題に周りを巻き込むのが嫌だった。
「俺がかつて、地界で罪を犯したことも事実。俺自身が決着を付けなければいけないんだ」
 鳳凰は青竜を押し退けようとしたが、青竜は動かなかった。
「あなたを天界へ呼び込んだのは私です。私にも責任があります」
 鳳凰はしばし沈黙した。
「そういえば、そうだったな」
 鳳凰は、青竜と出会った頃の事を思い出していた。
 今から数百年前の事、鳳凰は地界で突如力を持ち、暴れまわっていた。青竜は、その鳳凰を抹殺する様に命じられて地界へ降りたのだったが、当時鳳凰がまだほんの子供であると知り、殺してしまうのは、あまりに残酷なのではと感じたのだった。
 そこで青竜は、鳳凰を説得し改心させると、そのまま天界へと連れ帰ったのである。
「大切な人を失ったと言っていましたね。あの頃のあなたは孤独と悲しみ、そして激しい怒りに憑りつかれていました」
「結局、暴れてもあの人は取り戻せないと悟って昇天したわけだけど。青竜、お前も厄介な存在を連れ帰ったものだな」
 鳳凰は卑屈な笑みを浮かべた。
「厄介だなんて! あなたはもう、あの頃のあなたとは違います。でも、当時の足かせがまだ残っているのなら、私も協力しますよ」
「これは、俺の問題だ。俺は四聖でもないし、万一しくじってここで俺が死んだとしても何も問題無いだろう。その時はそれが罪を犯した代償なんだ。まあ、しくじるつもりはないけど」
「大有りですよ! 私はあなたを失いたくありません!」
 鳳凰は戸惑いの表情を浮かべた。
「なんでだ? 俺とお前は肉親でもないのに」
「でも、大切な友人です。仲間です!」
「友人……仲間……」
 鳳凰は青竜の言葉を復唱した。
「鳳凰、あなたには地界にも天界にも肉親はいませんが、あなたを慕う仲間は沢山いるではないですか。あなたはひとりきりで生きているわけではありません。いつだって、誰かと一緒に生きている。そうでしょう?」
 鳳凰はいつの間にか青竜の言葉に魅き込まれていた。
「そして今は、私が傍にいます。もっと私を頼って下さい。仲間に助けを求める事は、恥じる事では無いのですよ」
 青竜は真っすぐに鳳凰を見つめながら言った。鳳凰は、青竜の瞳に見つめられながら、胸の奥があつくなるのを感じた。とても懐かしい感覚だった。鳳凰は、しばらくその感覚の意味を考えていた。長い間忘れ去っていたこの感覚。
(……ああそうだ)
 かつて自分があたり前の様に受け、与えていたものだ。
 いつの日からか、自分はそれを失ったと思っていた。もはや誰からも受ける事のない、誰にも与える事のないものだと思っていた。しかし、それはまだ存在していた。今、青竜が向けているその瞳の中に、しっかりと感じる事が出来た。
 深い愛情を。
 そして、鳳凰自身も今、同じ気持ちで青竜を見つめている事に気付いた。
(ひとりじゃない)
 体の奥から、力強い何かが湧いて出てきた。鳳凰はゆっくりと瞬きをすると、にやりと笑って言った。
「俺達が組めば無敵だよな」
 青竜は安堵し、微笑みながら大きく頷いた。

「感動しました!」
 突如二人の後方から声がかかる。
「桜様!」
 いつからいたのか、青竜と鳳凰のすぐ後ろに桜が立っていた。
「美しい友情じゃな。ふむふむ」
 桜の後ろからひょっこりと玄武が現われる。
「うわっ! じーさんまで、いつの間に……!」
 いつもは気配に敏感な鳳凰も、今回ばかりはふたりが近付いていた事に全く気付かなかったらしい。
「ひとりきりで生きている訳ではない、ていう言葉、凄く良かったです!」
 桜が熱っぽく語る。青竜はたちまち顔が火照ってゆくのを感じた。
「それから、あの言葉も良かったです。あの……」
「ああ、もういい! もういいから!!」
 青竜は慌てて桜を制止した。鳳凰はと言うと、必死に笑いをこらえている様子である。
「ともかく、」
 と桜は続ける。
「私だって、ひとりで生きている訳ではないのですよね」
 少し照れ臭そうに、青竜の顔を覗き込みながら言った。
「ええ、もちろん」
 青竜が頷くと、鳳凰も続けた。
「俺だって、ついてるぜ」
 玄武も続く。
「わしもな」
 桜は玄武の方を見ながら少し複雑な笑顔を作った。

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