絵コラム

日常の事や萌えを語ったり漫画を連載したり…

幻創夢伝 竜の兄弟(後編)

幻創夢伝昨日の続きです。
青竜の過去の過ち編。竜の兄弟といえば、某創○伝を思い出しますねぇ。高校の頃にハマって読んでました。
ラノベなのに時事ネタとか政治ネタとか盛り込んでて、今思うとなかなかすごい小説ですよね。
青竜兄ちゃんは始兄さんとはずいぶんタイプが違うみたいですが、白竜はやんちゃという点で終君と通じるものがあります(笑)
竜の兄弟達、あまり活躍する場面が無いもののキャラとしてはお気に入りなので、この子達もきちんとビジュアルデザインしてあげたいですね。


 幻創夢伝  竜の兄弟(後編) 

その頃、雨の降り止まない地界の町も大騒ぎだった。
「これは、一体どうした事だろう?」
 まる三日間降り続けている雨のせいで、町にも少しづつ被害が出始めている。
 それから、さらに二日経ち、ついに死傷者が出始めた。
「竜神様の怒りに触れたのじゃ」
 何処かの老人が言った。それから町の人々は、必死になって祈りを捧げ始めた。「竜神様、どうかお鎮まり下さい」という声が、町中に響き出した。

 青竜が目を覚ましたのは、その二日後、眠り草を飲んでから一週間後の事だった。
「いけない、すっかり眠り込んでしまいました」
 本人は、まさか一週間も眠っていたとは思っていない様子で、至って普通にむくりと起き出した。
「しかし、いつの間にここで眠っていたんでしょう……」
 青竜は弟達によってひとまず水晶宮まで連れ戻されていたのだが、雨を降らせに行った後帰った記憶も寝室に入った記憶もないので不思議に思った。
「ああ、青竜兄さんが目を覚ました!」
 黒竜が真っ先に駆け寄って来て青竜に抱きついてきた。
「なんだ、黒竜は甘えん坊ですね」
 よしよしと頭を撫でてやる。
「兄貴!」
 今度は勢い良く紅竜がやって来た。
「何ですか、やけに騒がしいですね」
 紅竜は、不審そうな顔をしている青竜をしげしげと見つめると、よかったと言っておいおいと泣き出した。
 散々泣いていた白竜については、ひとりほっと胸をなでおろすと、あとは少し遠くからみんなの様子を見つめているだけである。自分がしでかした事のせいで気まずいというのもあったが、青竜に対しては何故か素直な態度が取れないのだ。彼が青竜からへそ曲がりと呼ばれる所以である。
「みんな、一体どうしたのですか?」
 青竜は、いよいよ訳が分からなかった。
「どうしたも、こうしたも…、兄貴一週間も寝てたんだぜ……。俺達、もう兄貴は死んじまうんじゃないかって……すげー心配したんだぞ……ヒック」
 紅竜がしゃくりあげながら話した。
「いっ……一週間!?」
 青竜は真っ青になった。
「兄貴、地界の町では、雨が止まなくて大変なんだ! 急いで雨を止めてくれ」
 青竜は、慌てて地界へ赴き雨を止ませたが、町はすでに半分以上崩壊し、かなりの死傷者が出ていた後だった。
「どうしてこんな事に……」
 青竜は愕然とした。紅竜と白竜は、気まずそうに顔を合わせた。
「ごめん、兄貴落ち着いて聞いてくれ…」
 やがて紅竜が説明しだした。
「兄貴、本当にごめん。俺が馬鹿だったよ」
 すべて話し終えてから、紅竜は頭を下げて謝った。白竜は黙ってうつむいている。
 青竜は、二人の顔を交互に見つめた。
「せ……青竜兄ちゃんが悪いんだぞ!あんまり心配かけるから……!」
 青竜と目が合った白竜がとっさに口走った。
「馬鹿野郎!」
 紅竜が素早く白竜をごつく。
「……ごめんなしゃい……」
 白竜も誤ったが、青竜の応えはこうだった。
「いいや、私が馬鹿だったんです……」
 青竜は力無く言った。確かに、弟達の行動はとんでもなかったとは思っているが、そうさせたのは自分だと青竜は思った。ふたりを叱る気にはなれない。というかあまりの出来事に怒りを通り越したのかもしれない。
「なんて情けない……」
 青竜は涙を流した。
 青竜の一言が、涙が、二人の弟の胸にグサリと刺さる。叱られた方がよっぽどマシだと思った。

  被害を受けた町は、3分の1くらいを残して全て壊滅してしまったが、何とか持ち直した。勿論青竜も、町の復興に精一杯協力した。その、生き残った町…というより、村が後に竜宮と呼ばれる様になったのである。
 至る所にある水は、あの時の傷跡だったと言う訳だ。

 

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する