絵コラム

日常の事や萌えを語ったり漫画を連載したり…

改訂幻創夢伝 2章 竜宮

小説を書くときのタイトルがいつもまちまち;;

前回で1章が終わって今日から2章です。漫画で言うところの第2話。
だんだんと人間臭い話が多くなってきます。神様達の話なんだけど(笑)

続きからどうぞ!

幻創夢伝

 竜宮

竜宮の村には、耀都を出てから半日程で辿り着いた。耀都からそんなに離れていないのに、ここは自然豊かな所で、人はまばらにしか歩いていない。
「なんだか、さっきの町とは全然違った雰囲気ですねえ」
 村に着くなり桜は、興味深そうにきょろきょろと辺りを見渡した。
「綺麗な所でしょう」
 青竜が言った。竜宮の人々は、自然を大切にしている。豊かな自然は適度に整えられてはいるが、手を加えすぎる事はせず、上手に自然と共存していた。
村の生活は、自給自足が基本。人々は畑を耕し、家畜を育て、天然の湧水で飯を炊く。
「地界の生活って、いろいろなのですね!」
 桜は両手を合わせて、すっかり感激した様子だ。
「青竜好みの場所だよな。もっとも、ここは青竜の為の場所みたいなもんだけど」
 鳳凰が言った。
「ええ? どうして?」
 桜は青竜の方を見て応えを求めたが、青竜は少し決まりの悪そうな顔をしただけで何も言わない。
「ほら、あれを見てみろよ」
 代わりに鳳凰が指さした。
「あっ!」
 鳳凰の示した先に竜の像を発見した桜は、嬉しそうな声をあげた。どうやら青竜を祀った石像の様だ。
「青竜、見てほら!」
 桜は小走りで像に近づくと無邪気に手を触れた。と、同時に、
「こらあっ!」
 後方から突然、雷のような怒声が投げつけられてきた。
「ひっ!」
 桜は一瞬、心臓が止まった気がした。
「むやみに竜神様に触れてはならぬ!」
 目の前に現れたのは、歳の頃70才くらいの老人であった。
「竜神様……ですか?」
 きょとんとする桜を見て、老人はふんっと溜息をついて呆れた様に言った。
「何だい、近ごろの若いモンは竜神様も知らんのかね」
 青竜と鳳凰は、慌てて桜と老人に近寄った。
「あのう、どうかなさいましたか?」
 おそるおそる青竜が老人に尋ねると、老人は青竜と鳳凰の顔をじろり、じろりと交互に見た。
「あんた達、この子のお兄さんかね?」
「お兄……さん!?」
 青竜は否定しようとしたが、となりで鳳凰がこんな事を言っている。
「妹が、どうかしましたか?」
 青竜は顔をしかめた。
「どうしたもこうしたもないよ! この子は竜神様も知らないらしいじゃないか! お兄さんだったら、それくらいきちんと教えてあげなさい!」
 老人は顔を真っ赤にして怒っている。青竜は困った様な顔をしながら、しぶしぶ答えた。
「はい……どうもすみませんでした」
「ぶっ!……ゴホッゴホッ……」
 堪え切れずに吹き出した鳳凰が隣でむせかえっている。
「ふんっ。分かればよろしい」
 そう言うと老人は去って行った。
「さあ、行きますよ」
 青竜は鳳凰を横目で睨むと、桜の手をひいた。
「おい、そんなに怒るなよ!」
 後を追って来た鳳凰は、まだ楽しそうな顔をしている。
「別に怒ってなど……」
 青竜は複雑な表情を浮かべていた。
「ねえ、竜神様って青竜の事ですよねえ?」
 桜が確認する様に言った。
「どうして名乗らなかったのです? 青竜が、青竜の事で叱られるなんて、おかしいです」
「この村で私の身分を明かすなんて、とんでもないですよ」
 青竜が小声で言った。
「ここの連中は竜神を異様におそれているからな」
 鳳凰が付け加える。
「青竜の事を!? どうして?」
「それはね、」
「鳳凰!」
 青竜が鳳凰を睨む。
「私には教えて下さらないの?」
 桜は悲しそうな顔をした。
「残念だな」
 そう言って桜を見つめる鳳凰の瞳が、後で教えてやると言っていた。
 しばらく歩くとやがて、目の前に大きな社が現れた。社には“竜神宮”と書かれた看板が掲げられている。
(やっぱり、竜神を祭っているんだ)
 看板を見ながら桜は思った。社の周りには、さきほどと同じ様な竜の像がいくつか並んでいる。
「何だか、本物の竜が出てきそうな雰囲気ですね」
「と、言うより、すぐそこにいるけどな」
 鳳凰に言われて桜は、あっと顔を赤らめた。青竜は隣で、社に向かって手を合わせていた。どうやら、祈りを捧げている様子である。
(自分に祈りを捧げているのでしょうか……)
 桜は不思議に思った。
「あいつの祈りは長くなるぜ」
 鳳凰が小声で言った。

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