絵コラム

日常の事や萌えを語ったり漫画を連載したり…

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

改訂幻創夢伝

今日はバトル編後編です。

この小説を最初に書き始めたのは今から10年以上前になるのですが、確かちょうど今くらいの時期だった気がします。10月中旬くらいだったような。懐かしいですね。
そして、最初に人様(友達以外で)に描いて頂いたわが子が青竜、鳳凰、桜の3人でした。ものすごい嬉しかったのを覚えてます。というか、今でも進行形で嬉しいです。

イラストと言えば、自分の絵を改めて見返してみて思ったのですが、年々ロリ化してますよね。等身が縮んでるというか。次回は等身とかちゃんと考えてちょっと心を入れ替えて描いてみようと思います。

では、続きからどうぞ。

幻創夢伝

  古屋敷の中で(2)

カラン、カラン…
笛が床へ落ちる。
「兄ちゃん!」
  慶杏が悲痛な叫び声をあげた。
「慶杏、すまねぇな。」
 慶塊は遠くを見つめながら、ぼそりと言った。
「お願いです!兄ちゃんを殺さないで!」
  慶杏は、突如青竜にすがりついて哀願を始めた。
「お願いします……!」
 真っ青な顔をして、声を震わせている。目に浮かべた涙が今にもこぼれ落ちそうだ。
(まるで自分の事の様に……)
 青竜は自分にも兄弟がいる事を思った。もし、自分が慶杏の立場だったら…。
 青竜の顔に同情の表情が浮かんだ。あきらかに動揺している。慶塊はそんな青竜の動揺を敏感に感じ取った。
(今がチャンスか!)
 慶塊の右腕がわずかに動いた。隙をついて攻撃を仕掛けようと考えていた。
「おい」
 突如、鳳凰が声を上げた。
(ばれたか!?)
 慶塊は縮みあがった。鳳凰はつかつかと近づいて来て、慶塊の右手首を掴むと、そのまま右の手のひらを眺めながら言った。
「火傷しているな」
 慶塊の右の手のひらは火傷を負っていた。慶杏が負った火傷とちょうど同じ位置、形である。慶塊と慶杏は顔色を変えた。鳳凰は、二人の顔色が変わったのを確認するとにやりと笑った。
「そういう事か」
 鳳凰は、今度は人指し指で慶塊の右頬をつう、となぞった。
「いででででっ!」
 まるで鋭いナイフで切られたかの様に、慶塊の右頬から血が流れ出す。
「痛い!」
 同時に慶杏も叫び出した。
「え?」
 青竜が視線を移すと、慶杏も全く同じ場所に傷を負っている。
「あんた、女の顔になんて事すんのさ!」
 怒鳴り散らす慶杏。
「俺はあんたの顔には触れてないぜ」
 鳳凰は口元に微笑を浮かべながら応えた。そして、青竜に顔を向けると冷たく言い放った。
「青竜、こいつらの事を兄妹思いだなんて、思わない事だな」
 慶塊と慶杏はうなだれた。
「分かったよ。大人しく殺られりゃいいんだろ……」
 もはや二人の顔には諦めの表情しかなかった。青竜はがっかりした。騙されたからではない。互いの体が一つなのなら尚の事、簡単に諦めてしまって欲しくはないと思ったのだ。無論、自分の命の為ではなく、相手の命の為に。
「かわいそうです」
 ふいに横から声が掛かった。桜である。桜はあれだけ恐怖を味わったというのに、今目の前で追い詰められている2匹の妖魔が目の前で殺されるのは見たくないと思っていた。
「……そうですね」
 一人に苦痛を与えればもう片方も同じ苦しみを味わう事になる。さすがに青竜も気が引けた。
「それでは、見逃してくれるのか!?」
 慶塊と慶杏は同時に顔を輝かせた。
「青竜!」
 鳳凰が顔をしかめる。しばらくの間沈黙が続いた。刀はまだ突きつけられたままである。しばらくして青竜が二人に問いかけた。
「あなた達、人の魂を食らわずに生きてゆく事は出来ますか?」
「はい、勿論で!!」
 二人は勢い良く答えた。
「ならば、約束してください。二度と人の魂を食らわぬと。」
 青竜は低い声で戒める様に云った。
「はい! 何でもおおせのままに!」
 仲良く口を揃えて応える慶塊と慶杏。青竜はわずかに微笑むと刀を収めた。鳳凰は明らかに気に入らないといった風に溜息をついた。

 屋敷から出ると、東の空が僅かに明るくなっていた。
「桜様、本当に何処も何ともないのですか?」
「ええ、本当に大丈夫です」
 桜はにっこりと微笑んだ。あんな事があった後なのに、心はとても穏やかだった。
 青竜が助けに来てくれた。それがただ、嬉しかった。桜は、青竜に育てられたとはいえ、どことなく青竜に対して距離を感じていたのだ。ただでさえ青竜は無口でそっけない。自分を守るという訳で一緒に旅をしているものの、本当に守ってくれているのか疑問にさえ思っていたのだった。
「全く、甘いよ。お前は」
 鳳凰は、青竜が慶塊と慶杏を許してしまった事が気に入らなかった。妖魔があんなに素直に心を入れ替える訳ねーだろと思っているのだ。
「あの二人なら大丈夫です。反省していたから」
 青竜は何の疑問も持たずに妖魔を信用しきっている様子である。
「そうかなあ」
 莫迦なやつだと思いながらも、鳳凰はこれ以上突っ込まない事にした。青竜のこういう莫迦な所が嫌いではなかった。
「妖魔さん達も反省してくれましたし、めでたしめでたし、ですね!」
 嬉しそうに話す桜の横顔を見ながら、鳳凰は思った。
(大丈夫かなぁ、このふたり)

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。