絵コラム

日常の事や萌えを語ったり漫画を連載したり…

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同居人






ふと気が付くと厨房にいた。

ああ、またか…こんな所で意識が戻ると困ってしまう。
私はどうする事も出来ずに、野菜を切り刻んでいた手をそのまま止めて途方に暮れた。

智哉は料理人だ。
中学を卒業すると、進学せずにそのまま料理人として修業を始め、キャリアは今年で10年目となる。
料理人としての腕はなかなかのものだ。

だが、私はと言うと、料理など全く出来ないのである。はっきり言ってこの仕事は私には向いていない。
この前も野菜が上手く刻めない代わりに指を刻んでしまって、その日はそのまま帰宅させられたのだった。

こんな所で意識が入れ代わってしまうと非常に困ってしまうのだが、こればかりは私の意思でどうにもならない事なので、どうしようもない。

ともかく仕方がないので、親方に相談してみることにした。
私と智哉は双子であり、一つの肉体で共同生活を送っている事…

どうやら、智哉も同じ事を話した事があるらしく、その辺の事情はすんなりと受け入れてもらえた。
だが、問題はそのあとだ。

親方は私にも智哉と同じ様に料理人として腕を磨く事を要求したのだ。

―いいか、お前も智哉も同じ人間なんだ。智哉に出来てお前に出来ないはずはないだろう。
それにな、智哉には夢があるんだ。料理人として独立するという夢だ。
近頃は料理人としての腕も上がってきたし、もうそろそろその夢も叶うんじゃないかという時期なんだ。
双子の方割れだって言うならお前、智哉と一緒に夢を叶えてやれ!

…はあ。

困った事になった。
智哉の夢は壊したくない。
でも、私にとって料理人という仕事は興味がもてないし、何より智哉の様に器用でもない私には、どうしても無理な様に思えた。

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